肝臓
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肝癌細胞の核抗原に関する研究
清沢 研道今井 明彦袖山 健宜保 行雄和田 秀一吉沢 要小池 ゆり子長田 敦夫古田 精市赤羽 賢浩何 麗芳
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キーワード: 核抗原, 蛍光抗体補体法
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26 巻 (1985) 10 号 p. 1330-1336

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抄録

HBV-DNAの組込みのあるPLC/PRF/5と組込みのないMahlavu, KIM-1の3種のヒト由来培養肝癌細胞を基材とし,112名の肝癌患者血清を用いて,蛍光抗体補体法により肝癌細胞特異的核抗原の検索を行った.2名のB型肝癌患者血清がPLC/PRF/5の核と反応した.他の2細胞系には特異な核抗原はみられなかった.PLC/PRF/5にみられた特異蛍光は,すでに報告されたHepatitis B Nuclear Antigen (HBNA)である.抗HBNA抗体を含む2血清はMahlavu, KIM-1および肝癌以外の癌細胞(HeLa, HEp 2)と反応せず,正常肝,胎児肝,正常細胞とも反応しなかった.この2血清中の抗体はPLC/PRF/5以外の培養細胞により吸収されず,また牛胎児血清でも吸収されなかった.以上よりHBNAはPLC/PRF/5に特異的な核抗原であることが確認された.HBNAはB型肝癌発生過程で何等かの役割を担っている核蛋白と考えられる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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