肝臓
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HBV持続感染例における血中smallならびにlarge HBe抗原の動態と肝障害との関連について
倉井 清彦飯野 四郎小池 和彦遠藤 康夫岡 博三田村 圭二鈴木 宏
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26 巻 (1985) 12 号 p. 1581-1589

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抄録

血中HBe抗原をIgG freeのsmall HBe抗原とIgG boundのlarge HBe抗原に分画し,その画分を定量的に解析することにより,HBV持続感染例におけるそれぞれの分画の動態ならびにそれと肝障害との関連について検討した.無症候性キャリアー例ではsmall HBe抗原量は総HBe抗原量に一致して変動したが,large HBe抗原量には著変をみなかった.肝炎発症例では発症直前にsmall HBe抗原量の著増を,その後GPT値の上昇に一致してlarge HBe抗原量の増加を認め,それに従いlarge HBe抗原の占める比率が急上昇した.慢性肝炎例ではlarge HBe抗原量は総HBe抗原量,small HBe抗原量,GPT値とほぼ平行して変動したが,副腎皮質ステロイド剤投与時small HBe抗原量とlarge HBe抗原量の動きは解離し,後者の動きはGPT値の動きに一致した.以上のことから,large HBe抗原は肝炎の発現ならびに活動性と密接に関連し変動すると考えられ,肝細胞障害機構におけるその病因的意義が注目される.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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