肝臓
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3β,7β-dihydroxy-5β-cholan-24-oic acidのヒトにおける代謝
経口投与後の末梢血および門脈血中濃度と胆汁中への排泄
南部 勝司及川 洋子浪久 利彦
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1985 年 26 巻 7 号 p. 891-897

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抄録

外胆道瘻を造設した総胆管結石症の3例に,3β,7β-dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid(3β,7β-diOH)を経口的に投与し,末梢血中濃度と胆汁中胆汁酸組成を経時的に観察するとともに,投与後2乃至3時間に,門脈血と末梢血を同時に採取して,胆汁酸濃度を測定した.3β,7βdiOHの末梢血中消失パターンは様々で,血中濃度のピーク値は3例で大きな差があり,その時間もそれぞれ異なっていた.ursodeoxycholic acid (UDCA)の末梢血中出現には一定の傾向が認められなかった.また,3β,7β-diOHの門脈血中濃度と末梢血中濃度の間には相関がなかった.いずれの症例でも,3β,7β-diOH経口投与後の胆汁中に,3β,7β-diOHはまったく検出されなかったが,投与後数時間からUDCAが明らかに増加した.これらの結果から,3β,7β-diOHは,経口投与されると腸管で速やかに吸収され,門脈を通して肝に達し,ここで3αへのepimer-izationが起こって,胆汁中にはUDCAとして排泄される,と考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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