肝臓
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骨転移を伴った肝細胞癌の臨床病理学的研究
山田 俊彦曽我 憲二太田 宏信野本 実上村 朝輝市田 文弘
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1986 年 27 巻 11 号 p. 1550-1558

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抄録

骨転移を認めた肝細胞癌の臨床病理学的な特徴を明らかにする目的で,肝細胞癌201例について検討し,剖検した98症例についても骨への転移様式を中心に検討を加えた.
肝細胞癌の骨転移は,臨床的または病理学的に診断した201例中16例(8.0%)にみられた.肝細胞癌の骨転移を初発症状とした初発例は10例で,中年男性に好発し,組織学的に肝硬変非併存例が6例中4例(67%)と多くみられ,また腫瘍は比較的小さい例が多く,早期に骨転移を生ずることが示唆された.一方肝細胞癌の経過観察中に骨転移を認めた非初発例は6例で,肝硬変を80%に合併し,数回の動脈塞栓療法や抗癌剤動脈内注入療法の後に,骨転移の発見される例が多かった.骨転移の初発例は,多彩な骨転移を呈したが肺転移は少なく,それ以外の他臓器への転移も,他に比べて比較的限局されている傾向にあった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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