2例のCrigler-Najjar症候群(adult type)を経験した.2例とも高間接ビリルビン血症を呈していたが,その他の血清学的検査ではほぼ正常であった.1例において知能低下を認めた.病理組織学的には,2例とも小葉中心帯に胆汁栓形成を認めた.治療はフェノバルビタールが著効を示した.Bilirubin-UDP-glucuronyltransferaseは0.0035, 0.006nmoles/min/mg proteinと著明に低下していた.胆汁中ビリルビン抱合体測定では,2例ともBilirubin Diglucuronide (BDG)が低値,Bilirubin Monoglucuronide (BMG)が高値を示していた.1例において,著明な高間接ビリルビン血症,知能低下,中途よりフェノバルビタールによる治療への抵抗性,Bilirubin-UDP-glucuronyltransferaseの著しい低値などより,Crigler-Najjar症候群のunusual typeの可能性が示唆された.