肝臓
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急性肝不全におけるPrednisoloneおよび内因性Hydrocortisoneの血中動態からみたステロイド療法の検討
加納 隆小島 孝雄高橋 健杉原 潤一冨田 栄一武藤 泰敏
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27 巻 (1986) 2 号 p. 165-173

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抄録

ステロイド療法を施行した急性肝不全(AHF)5症例を対象とし,早朝空腹時ステロイド投与前における血中prednisolone (PSL)および内因性hydrocortisone (Fk)の逐日的変動を測定し臨床経過と対比して検討した.その結果,全例,昏睡極期に一致してPSLの著明な代謝遅延が認められ,翌朝時においても大量のPSLが血中に残存した.しかし,生存例では脳症および肝予備能の改善に相応してPSLの代謝は速やかとなりPSLの血中への残存性は消失し,一方,脳症が悪化し死亡した症例ではPSLの代謝遅延は持続し,かつ重篤な副作用が認められた.以上より,AHFのステロイド療法における投与量,投与方法および投与期間の決定は臨床像とくに昏睡度および肝予備能に留意して行なうべきと考えられ,これらの決定に対し,AHFにおける肝ミクロゾーム機能の変動を良好に反映すると考えられる血中ステロイドの経時的測定は有用な科学的指標になり得ると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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