肝臓
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D-galactosamine急性肝不全モデルラットを用いた,脳浮腫の電顕的研究
赤司 隆裕
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27 巻 (1986) 2 号 p. 174-181

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抄録

急性肝不全時の脳浮腫像を主に,電顕的に観察した.Wistar系雄性ラットにD(+)-galactosamine塩酸塩2.5g/kg B.W.を腹腔内投与し,56~72時間後急性肝不全が進行し,昏睡状態となった時点で検討を行った.脳内水分含有量は,脳幹,小脳で有意な増加を認めた.電顕的観察では,足突起を主としたアストロサイトの膨化所見が認められたが,細胞間腔の拡大は認められなかった.血液脳関門(BBB)透過性の検討のため投与したLanthanum nitrateは内皮細胞間のtight junctionを越えず,血管内にとどまっていた.Horseradish peroxidase(以下HRP)は血管外に漏出していなかったが,HRPを含むvesicleの内皮細胞内軽度増加がみられた.今回認められた脳浮腫の原因は,毛細血管内皮細胞の変化に基づくBBB透過性亢進よりも,血中に増加する毒性物質による脳代謝抑制の結果出現する可能性が考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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