肝臓
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組換え型ヒト白血球インターフェロンによる慢性B型肝炎の治療
今関 文夫小俣 政男横須賀 収伊藤 よしみ内海 勝夫森 順子奥田 邦雄
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1986 年 27 巻 4 号 p. 431-441

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抄録

組換え型ヒト白血球インターフェロン(以下rIFN-αA)を,HBeAg陽性慢性肝疾患20例(男性19例,女性1例)に投与し,その有効性及び副作用について検討した.rIFN-αA3,600万u/日(筋注)×4週を5例に施行し,安全性を確認した上で,さらに5,000万u/日×4週,7,200万u/日×4週,1億u/日×4週を各5例ずつ施行した.投与期間中,血清DNA-P値の陰性化は18例中14例(78%)にみられたが,投与終了後4週まで陰性が持続したのは5例のみであった.又,rIFN-αA投与量によるDNA-P抑制率に差はみられなかった.rIFN-αA投与1~3ヵ月前にPrednisolone 40mg/日×4週を併用した5例は,投与終了6ヵ月後には3例にHBeAgの陰性化がみられたのに対し,rIFN-αA単独投与の15例は1例のみで,併用療法の有効性が示唆された.副作用として,白血球減少,血小板減少がみられたが,投与終了後急速に回復した.又,発熱,全身倦怠感,脱毛などが認められたが,重篤なものはなかった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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