肝臓
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ヒト肝組織細胞表面可溶化抽出物中のリンパ球芽球化反応抑制因子に関する研究
山崎 元岡本 英三小松 俊憲新家 荘平
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1986 年 27 巻 6 号 p. 762-769

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抄録

肝癌患者の腫瘍特異的免疫能を知る目的で肝癌組織及び肝組織の細胞表面可溶化抽出物(LsEx)に対するリンパ球芽球化反応を調べたところ,LsEx中には強いリンパ球芽球化反応抑制作用が存在し,目的とするin vitro免疫反応が抑制されることがわかった.そこで,この抑制作用を担う物質を同定,除去すべく,ヒト肝ホモジネート抽出物中には肝細胞質由来のarginaseに基づく強いリンパ球芽球化反応抑制作用が存在するとの報告に着目し,LsEx中のarginaseを定量し抑制作用との相関を調べると共に,抑制作用阻止を目的としてarginine添加の抑制作用に及ぼす影響を調べた.その結果,細胞表面抽出物であるLsEx中にもarginaseが混入し抗原非特異的及び特異的リンパ球芽球化反応に対して抑制作用を示すが,この抑制作用は至適量のarginine添加でほぼ完全に阻止できることが判明した.また,ヒト正常肝組織,硬変肝組織及び肝癌組織の細胞表面におけるarginase含有量はそれぞれ異なることが示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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