肝臓
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酵素抗体法による培養ラット肝細胞内細胞骨格の電顕的観察
上野 隆登
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1986 年 27 巻 8 号 p. 1147-1154

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抄録

培養ラット肝細胞内微小管,中間径フィラメント(サイトケラチン),マイクロフイラメント(アクチン)の分布について,Horseradish peroxidase (HRP)酵素抗体法を用いた免疫電顕による観察を行なった.酵素抗体法は一次抗体に家兎チュブリン,サイトケラチン,アクチン抗体を,二次抗体にHRP標識抗家兎IgG山羊血清を用いた間接酵素抗体法で行なった.微小管,サイトケラチンフィラメント,アクチンフイラメントともに微細顆粒をともなった線維状構造を呈し,原形質内に多数観察された.さらに,通常の透過電顕に比較して,細胞骨格の細胞内分布,細胞内小器官との関連がより明確に観察できた.HRP酵素抗体法を用いた培養肝細胞内細胞骨格の免疫電顕による観察は,細胞骨格の細胞内分布やその変化および機能における研究に有用な手段と思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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