肝臓
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ICG肝除去率の臨床的意義の検討-門脈外科領域における役割-
塚田 一博
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27 巻 (1986) 9 号 p. 1313-1322

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抄録

門脈圧亢進症91症例を対象に,肝循環指標としてのICG肝除去率の臨床的意義について検討した.ICG肝除去率は,ICG 1回注入法によりその零時の肝除去率を代表させたが,同じICGを用いて算出した予測肝血流量と比較し疾患の特性をよく反映しICG血漿消失率,閉塞肝静脈圧,脾重量などの他の肝循環指標と相関を示した.また肝硬変症の臨床所見(Child分類)を反映し,生化学的検査(A/G比,γ-グロブリン濃度,ZTT, Ch-e)にも相関が認められた.加えてICG肝除去率は食道離断術前後のICG血漿消失率の変化量と相関が認められ術後の肝循環を予想できる可能性が示唆された.また,ICG肝除去率良好群(ER≧52%)と,不良群(ER<52%)との間の生存率に差を認めた.肝除去率は容易に測定でき,肝細胞機能と,肝内短絡率を反映する実用的指標と考えられ,肝内と肝外の短絡路を分けて理解すべき食道静脈瘤症例にとって重要な指標である.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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