肝臓
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胆道感染症を起因とした肝壊死性血管炎の1剖検例
安部 行弘戸部 和夫薄元 亮二友田 純糸島 達也長島 秀夫三村 久香川 晃一林 肇輝粟井 通泰
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28 巻 (1987) 1 号 p. 104-108

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抄録

壊死性血管炎は感染症もその一因となる.最近我々は肝生検にて壊死性血管炎の像を認め,胆道感染症に随伴した過敏性血管炎の1例を経験したので報告する.症例は73歳,女性で,発熱・四肢のしびれ感を主訴に来院した.入院後種々の抗生物質投与にても解熱せず,腹部レ線でpneumobilia様陰影がみられ,ERCPで総胆管内に結石像を認めた.胆道感染を伴う総胆管結石の診断で胆石除去術を施行し,術中肝生検で壊死性血管炎の像を認めた.術後発熱は改善したが,約1年後尿路,呼吸器感染症のため死亡した.剖検では肝・胆嚢・総胆管に血管炎の瘢痕治癒した像がみられ,他の臓器には血管炎の所見は認めなかった.以上の臨床経過および薬剤過敏性試験が陰性だったことから,本例は胆道感染を原因として過敏性血管炎をおこしたものと考えられた.胆道感染に随伴した壊死性血管炎は我々の調べた限りではみられず,壊死性血管炎の病態を考える上で興味ある症例であった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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