28 巻 (1987) 1 号 p. 76-83
肝細胞癌33例の手術標本を透過電顕で観察し,その微細構造を組織型(索状型・充実型・偽腺管型・硬化型)により比較検討した.索状型は多層性の索状構造をとり,毛細胆管様構造と類洞様構造を有していた.充実型は,索状型に比べるとlateral surfaceにmicrovilliを認めるものが多かった.索状型,充実型の一部に見られた腺管形成部分では,2つのpatternが認められた.1つは肝細胞類似の腫瘍細胞が取り囲み拡張した毛細胆管に相当するもので,もう1つは胆管上皮類似の腫瘍細胞より腺腔が形成されるものであった.硬化型では,Disse腔に相当する部分に豊富な膠原線維と共にfibroblastやmyofibroblastが認められた,類洞のcapillarizationや他の組織型では見られない特異的な細動脈が認められた.以上の4つの組織型は,variationはあるものの基本的には同じ構造を示した.即ち,胆管上皮型の腺管形成部分を除きいずれも腫瘍細胞索は毛細胆管様構造と傍類洞腔・類洞様構造を有していた.