肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
Yellow tetrazoliumを用いたヒト肝guanaseの電顕組織化学的証明法について
伊東 進春藤 譲治石原 昭彦北川 直之辻 泰弘和田 哲清水 一郎岸 清一郎伊井 邦雄
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 28 巻 11 号 p. 1439-1443

詳細
抄録

Yellow tetrazoliumを用いたguanaseの電顕組織化学的証明法を考案した.本法は既報のnitrotetrazolium blue (NBT)を用いたguanaseの組織化学的証明法に準じた証明法である.yellow tetrazoliumは電子密度を有する反応産物を生成するためguanaseの電顕組織化学的証明が可能になった.反応産物は肝細胞の核,mitochondria,粗面小胞体,滑面小胞体およびlysozomeに限局して認められた.対照試験では全く反応産物は見られなかった.従って,この反応産物はguanase活性によって生じたものと考えられた.
本法は,生検材料を用い,比較的簡便な手技で細胞化学的にguanaseを証明出来るので,今後,guanaseの電顕組織化学的証明法として,この方面の臨床的および生理学的研究に広く応用出来るものと思われた.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top