肝臓
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肝類洞壁沈着IgAの研究-特に電顕的局在に関連して-
田中 美和
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28 巻 (1987) 11 号 p. 1451-1459

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抄録

慢性肝障害における肝組織沈着IgAの意義を明らかにするため,慢性肝炎25例,アルコール性肝障害20例を対象にしてIgAの光顕,電顕酵素抗体法また,lysozymeや内因性peroxidaseとIgAとの二重染色を行った.光顕では肝類洞壁に沿って線状と顆粒状の二つの染色パターンが観察された.前者はアルコールに特有で,後者は,成因をとわず,活動性の強い慢性肝障害と関連があった.二重染色でも肝類洞壁におけるIgAの局在はlysozymeや内因性peroxidaseの局在とは異なっていた.電顕的に観察したところ,線状沈着は,肝類洞内皮細胞の胞体内の均一な反応生成物として,一方,顆粒状沈着は,類洞内皮細胞の胞体内の円形顆粒状の反応生成物として観察された.以上の結果より,IgA沈着機序は,その沈着パターンが関連事項により異なることより,沈着機序が複数であること,また内皮細胞に沈着することより,肝網内系に関係していることが推察された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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