肝臓
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肝切除限界の拡大に関する実験的研究
特に過酸化脂質の変化とCoenzyme Q10の効果
吉峰 修時
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28 巻 (1987) 11 号 p. 1474-1485

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抄録

従来容認されてきた肝切除限界を越えた拡大肝切除の可能性を検討する目的で本研究を行った.雑種成犬に84%肝切除を行い,その病態を術後に発生する過酸化脂質の肝細胞障害作用に着目して検索し,これを抑制する目的でCoenzyme Q10 (CoQ10)を投与して検討した.84%肝切除後では血漿並びに残存肝組織中の過酸化脂質が著しく増加し,高度の残存肝機能障害を来たして術後2週及び4週の生存率はそれぞれ27.8%, 22.2%と不良であった.CoQ10の投与により血漿並びに肝組織中の過酸化脂質の増加は有意に抑制され残存肝機能も比較的良好に維持され,術後2週及び4週の生存率はそれぞれ61.5%, 46.2%と著しく向上し,かつ肝再生は機能的にも形態的にも良好であった.すなわち80%以上の肝切除では,残存肝に生じる過酸化脂質が残存肝を著しく障害し長期予後を不良にしているものと考えられ,CoQ10投与によりこれが抑制され,拡大肝切除が可能となるという成績が得られた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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