肝臓
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Print ISSN : 0451-4203
HBe抗体陽性キャリア妊婦から母児感染しさらに父子感染をみた重症肝炎の2例
吉田 俊巳加賀 誠司盛合 理植田 修千葉 俊明阿部 弘一三浦 義明滝川 康裕井上 義博中舘 一郎班目 健夫加藤 章信柏原 紀文石川 和克鈴木 一幸佐藤 俊一
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1987 年 28 巻 11 号 p. 1490-1496

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抄録

HBe抗体陽性キャリア妊婦から垂直感染し出生50日目に出生児が急性B型肝炎を発症し,さらに患児の発症から92日目に父親がB型劇症肝炎を発症し救命しえた家族内感染例を経験した.患児は発熱・哺乳力の低下で発症.GOT 11,380U, GPT 5,060Uと上昇しプロトンビン時間(PT)10%と著明な低下を示した.HBs-Ag陽性,anti HBc (200倍)74%であった.総ビリルビン(T. Bil)が漸増し32mg/dlとなり凝固能の改善がないため,プレドニゾロンを使用したところ改善し,急性肝炎重症型と考えられた.父親は嘔気・全身倦怠感で発症.T. Bil 14.7mg/dl, GOT 1,675U, GPT 4,690U, PT12%, HBsAg陽性,IgMHBc3.29と陽性.昏睡II度となりプレドニゾロン,グルカゴン-インスリン療法,特殊組成アミノ酸などの治療にて改善した.母親から出生児に垂直感染し,患児から父親に水平感染したと思われる.HBe抗体陽性キャリア妊婦からの出生児に対してもHBIGなどの対策が必要と考えられる症例である.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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