28 巻 (1987) 2 号 p. 236-242
超音波検査(US)により発見された結節状のfocal fatty changeを伴った肝硬変の3症例について報告した.症例1はHBs抗原陽性の60歳女性で肝右葉にエコーレベルの高い径10mmの腫瘤像を発見された,その後2年半にわたる経過観察中に腫瘤の増大と内部像の変化をきたし悪性腫瘍が疑われたが,open biopsyの結果は脂肪浸潤であった.症例2は59歳女性でやはり高エコーレベルの腫瘤像を認め4ヵ月後にはやや増大していたが,open biopsyの結果は脂肪浸潤であった.症例3は53歳男性で,症例1,2と同様の腫瘤像をUSで指摘されUSガイド下針生検を施行して脂肪浸潤との診断を得た.いずれも診断後1年以上の経過観察で腫瘤像に大きな変化が見られず,focal fatty changeと考えられた.
肝硬変は,肝細胞癌の高危険群であるが,エコーレベルの高い腫瘤像をUSで検出した場合このような結節状のfocal fatty changeの可能性も考慮する必要がある.