肝臓
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小肝細胞癌に対する経皮的超音波ガイド下エタノール局注療法の基礎的,臨床的検討
藤本 隆史
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1988 年 29 巻 1 号 p. 52-59

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抄録

小肝細胞癌に対する経皮的超音波ガイド下エタノール局注療法についてその抗腫瘍効果の基礎的,臨床的検討を行った.ラットの正常肝,四塩化炭素誘発肝硬変,DAB誘発肝癌に対し,開腹下に純エタノールを局注し,局注直後,3日後,7日後の病理組織像を検討した.直後には三者共に細胞の変性,崩壊所見が,3日および7日後には凝固壊死が見られ,特に肝硬変ではこの変化が隔壁を越えていた.以上より純エタノールの細胞障害効果は確実,即効性で穿刺による腫瘍細胞の播種,転移は起こりにくく,肝細胞癌の被膜内外浸潤部にも有効であると思われた.臨床例では肝細胞癌44症例52結節に同療法を行った.同療法施行前AFP 101ng/ml以上の症例でAFPの著明な低下が,直径3cm以下の16例中14例(88%)に血管造影上tumorstainの消失が,切除組織では4例中2例に100%の癌部の完全壊死が認められた.本療法は小肝細胞癌に対する有効な治療法であると考えられる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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