29 巻 (1988) 11 号 p. 1462-1466
組織学的に脂肪浸潤の程度が同程度であるアルコール性脂肪肝6例,肥満に伴う非アルコール性脂肪肝7例の肝酸素需給動態を検討し,両者の差異を明らかにした.
アルコール性脂肪肝では非アルコール性脂肪肝に比し,肝局所血流量の指標は有意に低下しており,肝局所酸素消費も低下する傾向が認められたが,肝局所Hb酸素飽和度はアルコール性脂肪肝で非アルコール性脂肪肝に比し有意に高値であった.すなわち,アルコール性脂肪肝では肝局所血流量の低下にもかかわらず,肝酸素消費の維持のためのO2 extractionの増大が認められなかった.
以上,アルコール性脂肪肝では非アルコール性脂肪肝に比し,肝酸素需給動態上,より著明な障害が存在することが明らかとなった。