肝臓
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Kupffer細胞からのロイコトリエンB4遊離
阪上 吉秀溝口 靖紘河田 則文久保井 広志関 守一小林 絢三申 東桓武田 弘木岡 清英市川 裕三森澤 成司門奈 丈之山本 祐夫
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1988 年 29 巻 6 号 p. 753-756

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抄録

ロイコトリエンB4(LTB4)は,炎症性細胞浸潤を惹起するケミカルメジエーターであり,種々の炎症反応や免疫反応に関与している.Kupffer細胞のLTB4産生能を調べるために,ラット肝より分離したKupffer細胞をcalcium ionophore A23187で刺激して上清中のLTB4産生を高速液体クロマトグラフィーとradioimmmoassayにて測定した.その結果, calcium ionophoreで刺激したKupffer細胞上清中にLTB4が検出された.このことは,Kupffer細胞も白血球と同様にLTB4を産生することを示しており,Kupffer細胞はLTB4の産生を通じて肝の炎症性病変を修飾している可能性が考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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