肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
肝生検組織の肝細胞のDNA合成よりみた肝硬変から肝癌へのsuper-high-risk groupの設定について
BrdUのLabeling Indexによる検討
多羅尾 和郎清水 昭男原田 昌興玉井 拙夫伊藤 義彦久邇 之房杉政 征夫武宮 省治岡本 堯井上 達
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キーワード: 肝硬変症, DNA合成, 肝細胞癌
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30 巻 (1989) 8 号 p. 866-871

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抄録

肝硬変症(LC)から肝細胞癌(HCC)発生へのsuper-high-risk群が存在するか否かをDNA合成面から検討した.先ず,比較的小さなHCCにて肝切除したLC17例の硬変組織のBromodeoxyuridine (BrdU)の摂取率(L.I.)を測定し,次に肝癌のないLC(Control LC)のそれを調べ,これをDNA合成の亢進した群と亢進していない群に分け,2年間followして肝癌の発生率を比較した.方法:硬変組織をtru-cut針で採取し,0.1% BrdU RPMI1640溶液中で45分間培養し,免疫染色でBrdUのL.I.を計算した.結果:HCCを有する17例の硬変組織のL.I.は3.3±1.5%と,control LCの2.1±1.7%より有意に高かった(p<0.05).HCCを有するLCのL.I.の最低値1.5%でcontrol LCをL.I.の高い群と低い群に分けて観察したところ,高い群9例より3例が2年以内に発癌したのに対し,低い群10例では発癌例はなかった(p<0.05).DNA合成の亢進したLCはHCC発生のsuper-high-risk群となるものと思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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