31 巻 (1990) 1 号 p. 53-58
マロリー体(MB)形成過程における中間径フィラメント(IF)のUb化(ubiquitination)について,グリセオフルどン(GF)投与マウスを用い,間接蛍光抗体法,免疫電顕法で検討した.正常肝組織では,抗サイトケラチン(CK)モノクローナル抗体(RPN 1160)による蛍光は,細胞周囲,核周囲,細胞質内に網状に認められたが,抗ユビキチン(Ub)モノクローナル抗体(ラットIgMクラス)による蛍光は,これらの部分には淡く観察された.凍結切片をdetergent処理したものではCKの染色性に変化はなかったが,Ubの染色性は著減した.GF投与マウスの肝組織を免疫二重染色するとMBに一致してCKとUbの強い蛍光を認めた.免疫電顕では,正常肝細胞IFにはほとんどUbを標識する金粒子は存在しなかったが,MBとその周囲IFには多数の金粒子が存在した.この結果からMB形成過程においてIFは強いUb化を受けていることが判明した.