肝臓
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短期間に組織像の進展を示した無症候性原発性胆汁性肝硬変の一男性例
浜口 浩一大橋 洋平藤岡 博道青沼 宏深高瀬 幸次郎為田 靱彦村林 鉱二
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31 巻 (1990) 1 号 p. 80-85

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抄録

症例は52歳,男性で,肝機能異常精査を目的として入院した.検査成績は,ALP,γ-GTP, LAPが高値を示したが,T. Bilは正常であった.IgG, IgMは高値を示し,抗ミトコンドリア抗体が陽性であった.肝組織所見では,慢性非化膿性破壊性胆管炎の像を呈しており,Sheuer 1期PBCと診断した.退院後患者は黄疸,掻痒感などの症状が出現することなく外来通院していたが,3年6ヵ月後に急性胆嚢炎を併発し胆嚢摘出術を受けた.手術時の肉眼所見で肝表面は粗大結節状を呈していた.同時に施行された肝生検組織所見では,門脈域は線維性に結合し偽小葉の形成も認め,小葉間胆管は瘢痕化し消失しており,Sheure 3期ないし4期のPBCと診断した.本例は無症候性PBCの予後と組織学的推移を論じる上で貴重な症例であると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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