肝臓
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尾状葉門脈枝の分岐形式の検討,並びにその記載法の工夫
小暮 公孝
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1990 年 31 巻 11 号 p. 1262-1266

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抄録

人肝36例の尾状葉の門脈分岐形式をdissection法によって検討した.その結果,1本型から6本型までの分岐形式が認められ36尾状葉で計74本(2.0本/肝)の尾状葉枝が認められた.文献上も6本型以上のものは認められなかった.以上の結果では尾状葉主枝あるいはSpiegel葉枝は門脈本幹より左側から分岐していること,傍下大静脈枝は多くの症例で横隔膜下まで到達していること,尾状葉突起枝は2本型までは他の枝の末梢枝が分岐しているが3本型になって初めて独立した尾状葉突起枝が認められることが尾状葉門脈枝の共通した特徴として認められた.
また,様々なvariationを有する尾状葉門脈枝の簡便な記載法を工夫したので提案した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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