肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
肝細胞癌およびその類似病変の画像解析による細胞計測的研究
とくに核,細胞形質のpleomorphismについて
本橋 郁子奥平 雅彦高井 智子金子 聡二上 玲子
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31 巻 (1990) 11 号 p. 1274-1281

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抄録

我々は,肝細胞癌(HCC)の病理組織学的診断基準の客観化の一手段として,画像解析による検討を行いつつある.肝細胞癌106例と正常肝8例を含む肝疾患200例について,肝細胞および腫瘍細胞の核と細胞形質の形の歪みを形状係数によって,核と細胞形質の形のばらつきの程度を変異係数によって,それぞれを数値で表すことを試みた.核の形状係数は,正常肝と非腫瘍性肝疾患では,核100個の平均値がすべて0.94以上で,形状はほぼ真円に近いが,HCCは0.93以下の値を示したものが全体の85%を占め,核は楕円または不整形であった.また,HCCで0.94以上の核は,すべてEdmondson-I型の高分化型HCCであった.よって,核の形状係数はHCC診断の有用な指標の一つとなると結論した.さらに,細胞形質の形状係数,核と細胞形質の変異係数についても正常肝とHCCとの間に有意差がみられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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