肝臓
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C型慢性肝炎のインターフェロン治療による肝内および血中HCV RNAレベルの変化
松本 昌之藤森 功奥野 忠雄新井 賢進藤 道子武田 誠岡上 武加嶋 敬宗川 吉汪
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1991 年 32 巻 11 号 p. 983-989

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抄録

C型慢性肝炎におけるIFN治療による肝内HCV RNAに及ぼす効果を検討した.C型慢性肝炎患者14例のIFN治療前後の肝組織よりRNAを抽出し,RT-PCRによりHCV RNAのレベルを測定したところ,治療後に1例を除く全例で低下し,IFNの抗ウイルス効果が確認された.Alanine aminotransferase (ALT)の正常化が治療後3ヵ月以上持続した有効群(6例)と,3ヵ月以上持続しなかった無効群(8例)とを比較すると,治療前の肝内HCV RNAレベルは無効群に比し有効群で有意(p<0.01)に低かった.IFN治療前で検出された血中HCV RNAは,有効群では全例で治療直後および1ヵ月後に検出されなくなった.一方,無効群では治療直後に4例(50%)でHCV RNAは検出されなかったが,1ヵ月後でも検出されない例は1例(12%)にすぎなかった.治療直後の肝内および血中HCV RNAレベルから治療後のALTの推移は予測できなかったが,治療前の肝内HCV RNAレベルの低い症例でIFNの治療効果が得られた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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