肝臓
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Lipiodol停滞を示した肝腺腫様過形成の1例
藤田 眞黒田 知純堀 信一田中 幸子佐々木 洋今岡 真義石黒 信吾
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32 巻 (1991) 3 号 p. 300-305

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抄録

肝動脈内Lipiodol注入後のCTで明瞭なLipiodolの停滞を示した肝腺腫様過形成の1例を報告した.症例は46歳男性,慢性肝炎の経過中,腹部超音波検査で肝右葉に直径2cmの腫瘤を指摘された.血管造影上濃染像は明らかではなかったが,肝動脈内Lipiodol注入7日後のCTで明瞭な腫瘍内Lipiodol停滞がみられた.しかし,大部分のLipiodolが1ヵ月後には流出していた.肝細胞癌を疑い手術を施行した.腫瘤は数個の偽小葉により形成され,胆管を含む門脈域が認められた.核にも異型はなく組織学的に腺腫様過形成と診断した.腫瘤内にはLipiodol残存部に一致して完全壊死を示す小結節がみられ,腺腫様過形成内部に発生した小肝細胞癌が肝動脈塞栓術により壊死に陥ったものと考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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