肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
肝・腎障害を生じたシンナー急性中毒の1例
土屋 喜裕島村 隆二大島 道雄大久保 英雄
著者情報
ジャーナル フリー

33 巻 (1992) 4 号 p. 353-356

詳細
PDFをダウンロード (1014K) 発行機関連絡先
抄録

頻回のラッカーシンナーの吸入により高度の急性肝障害と急性腎不全を発症した症例を報告する.症例は17歳男子高校生.ラッカーシンナーを連日吸入して2カ月後に,全身倦怠感,嘔吐,食欲不振とともにGOT 9,080, GPT 6,600U/l, LDH 10,305U/lと高度の肝障害が発見された.2日後の入院時,理学的には黄疸と肝腫大.検査では,T. Bil. 4.5mg/dl, GOT 1,740, GPT 3,828U/l, HPT 50%, BUN 61.4mg/dl, Cr 4.6mg/dlと肝・腎障害がみられた.入院後は安静と肝庇護療法を行い,約1ヵ月後には,肝腎障害は正常化した.経過中に施行した肝生検では,小葉中心性の肝細胞壊死とうっ血の所見が認められた.ラッカーシンナーによる肝腎障害の原因としては,主成分であるトルエンが考えられているが,その他トリクロルエチレンも問題になると思われる.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top