33 巻 (1992) 5 号 p. 370-374
臓器反射スペクトル法とレーザードップラー法により,腹腔鏡下に慢性肝疾患における肝組織血行動態を測定した.臓器反射スペクトル法で測定した肝組織局所ヘモグロビン量は肝硬変においては低値であった.これに対して,酸素飽和度とレーザ-ドップラー法による血流量は肝硬変で増加していた.一方,組織酸素消費能は肝疾患群で著明に低下し,低下が著明な群では,KICG,血清コリンエステラーゼ,アルブミンも低値を示した.以上より,(1) 肝疾患における肝組織血行動態の把握に,両測定法による測定が有用であること,(2) 進行した肝疾患では,組織内動脈血流量は増加しているにもかかわらず肝組織局所ヘモグロビン量は低下しており,組織酸素消費能低下の結果肝代謝能が悪化することが示唆された.