肝臓
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インターフェロン療法中に間質性肺炎を発症したC型慢性肝炎の1例
大東 恭子周防 武昭川崎 寛中
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1993 年 34 巻 9 号 p. 718-722

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抄録

インターフェロン(IFN)治療中に間質性肺炎を発症したC型慢性肝炎の1例を経験した.症例は,58歳,男性.1992年4月にC型慢性肝炎(CAH2A)と診断され,6月よりIFNα-2b6MU/日の投与を開始した.トランスアミナーゼは速やかに正常化したが,IFN投与10週後より発熱,胸痛,乾性咳嗽が出現し,低酸素血症および胸部X線で両下肺野に粒状網状影を認めた.IFNの投与を中止し,抗生剤の投与を行ったが肺炎は増悪したためステロイドのパルス療法を行ったところ,臨床症状,検査所見,胸部X線は劇的に改善した.本例は臨床経過よりIFN投与による間質性肺炎が強く疑われたが,間質性肺炎は対応が遅れると致死的であり,今後IFN療法に際し留意すべきである.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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