肝臓
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巨大門脈-大循環短絡路に対する塞栓療法
同時性バルーン閉鎖下塞栓術の有用性
森田 穰斉藤 博哉山田 政孝鈴木 貴久吉川 紀雄圓谷 敏彦
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1994 年 35 巻 2 号 p. 109-120

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抄録

巨大門脈-大循環短絡(X線フィルム上の短絡口径10mm以上)8例を対象にIVRの手技を用いた塞栓術を施行し,治療成績,合併症,予後から塞栓術式,適応に検討を加えた.同時性バルーン閉鎖下塞栓術は流入路のみからの経回結腸静脈塞栓術と流出路のみからのバルーン下逆行性静脈的塞栓術を合わせ改良工夫した方法である.従来法に比して侵襲度が高く,手技も煩雑であるが,P-S短絡に基づく難治性食道・胃静脈瘤,肝性脳症に対して即効性,持続性であり安全,確実な治療法である.適応決定にはバルーン閉鎖試験が良い指標で,Child A,B,門脈圧増加率60%以下が施行安全域の目安となる.手技上の要点は短絡閉鎖後遠肝路としての発達が予測される静脈と複数個の流入路を単一化する予防塞栓術が大切で,複雑な静脈の細吻合形式である食道静脈瘤の内視鏡上の消失率が未だ不十分なこと,術前に閉鎖後門脈圧増加を予測する正確な手段が無いことが問題点として提起された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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