肝臓
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肝細胞癌肝切除術後の血中IV型コラーゲン値(sandwich EIA)と7-Sドメイン値(RIA)の変動
梶川 真樹中尾 昭公原田 明生野浪 敏明高木 弘
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1994 年 35 巻 2 号 p. 131-137

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抄録

肝細胞癌肝切除症例15例(HCC群)および肝病変がなく肝切除を伴わない開腹手術症例7例(Control群)につき,術前術後の血清IV型コラーゲン濃度を2種の異なる測定法(sandwich enzyme immunoassay(以下IV-C)と,radioimmunoassay(以下7-S))で測定した.術直後IV-Cは,両群ともに術前値に比べ有意に減少したが,7-Sはむしろ増加した.以後はIV-C・7-Sともに増加したが,とくにHCC群で,術後1週目以降7-Sは術前値に復したのに対し,IV-Cは有意な増加が続いた.HCC群のうち,術後肝不全症例と非肝不全症例との間では,術後IV-C・7-Sの変動に差はなかった.IV-CはIV型コラーゲンの合成,7-Sは分解・合成を反映し,両者の変動を比較することは,組織の破壊・修復状況を把握するうえで有用と考えられた.しかし,肝切除後にこれらから推察される組織の修復状況と,肝再生を含む肝機能の回復とは一致しないと思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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