肝臓
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肝細胞におけるホスホリパーゼC作動性細胞内情報伝達に及ぼすウルソデオキシコール酸の影響
エタノール,vasopressinによる検討
赤地 和範塚田 勝比古星野 信中山 善秀東 克謙埜村 智之山田 潤一磯部 智明中尾 春壽武内 俊彦
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1994 年 35 巻 2 号 p. 146-156

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抄録

ラット分離肝細胞において,エタノール(EtOH), vasopressin刺激によるホスホリパーゼC (PLC)活性化(細胞内Ca2+ ([Ca2+]c)の上昇,イノシトール三リン酸(InsP3)の産生)に対するウルソデオキシコール酸(UDC)の効果について検討した.vasopressinによるPLC活性は持続性であるのに対し,EtOHによるPLC活性は一過性であった.肝細胞をUDC及びタウリン飽合体であるTUDCで前処置すると,EtOHによるInsP3の産生には有意な変化はみられなかったが,[Ca2+]cの上昇は増強された.一方,vasopressinによる[Ca2+]cの上昇,InsP3の産生はUDC, TUDC前処置により有意に抑制され,PLC活性が抑制されることが明らかとなった.また,vasopressinによる[Ca2+]c上昇はEtOH前処置により抑制され,さらにUDC, TUDCと併用することによりこの抑制効果は増強された.このようにUDCはPLC作動性肝細胞内情報伝達機構に影響を及ぼし,種々の細胞機能の発現に関与することが示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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