肝臓
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MRが診断に有用であったsclerosing hepatic carcinomaの1例
藤田 眞黒田 知純吉岡 寛康井上 悦男春日井 博志佐々木 洋今岡 真義石黒 信吾
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1994 年 35 巻 2 号 p. 163-169

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抄録

原発性肝癌の稀な一亜型であるsclerosing hepatic carcinoma(以下SHC)の1例をMR像を中心に報告した.症例は62歳男性.C型慢性肝炎の経過中,血清AFP高値を指摘された.各種画像診断により肝右葉に径4cmの腫瘍が認められ,手術を施行した.切除標本と画像診断の対応では,MRが最もよく組織像を反映していた.すなわち,Gd-DTPA急速静注後のdynamic MRにおいて,腫瘍中心部の線維化の著しい組織は早期相から後期相にかけて徐々に増強された.これに対し腫瘍辺縁部の線維化の少ない充実性の組織は早期相でのみ増強され,対照的な像を示した.肝癌の画像診断におけるMRの有用性は高いが,SHCのMR像は,我々の検索したかぎりでは報告されていない.本例においては,dynamic MRはSHCの強い線維化を伴う組織の血行動態なよく反映しており,SHCの術前診断におけるMRの有用性が示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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