35 巻 (1994) 3 号 p. 240-243
65歳女性,1991年4月より硬変化した自己免疫性肝炎に伴う食道静脈瘤破裂により,硬化療法歴4回あり.93年4月吐血のため緊急入院.幽門部潰瘍を認めH2ブロッカーで一時軽快したが,12病日より25病日まで再度吐血続き,利尿剤に不応性な大量腹水の貯留出現した.食道静脈瘤破裂の所見はなく,胃体部大彎を中心にgastropathy所見認め,緊急TIPS施行.門脈圧50cmH2Oより40に低下し,翌日より吐血改善.7日後腹水消失し門脈圧23に低下.Laser Doppler velocity法による胃体部粘膜血流量も前値0.8Volt(正常値,4.0±1.6)から14日後2.0に上昇し,gastropathy,食道静脈瘤の所見は改善した.以上よりhepatic gastropathyに対するTIPSの有用性が確認された.