肝臓
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劇症肝炎の成因と成因ウイルス別にみた臨床的特徴
中舘 一郎滝川 康裕岩井 正勝稲葉 宏次遠藤 龍人安倍 修山崎 潔加藤 章信鈴木 一幸佐藤 俊一
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36 巻 (1995) 1 号 p. 1-6

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抄録

当教室にて1981年から1993年までの13年間に経験した劇症肝炎40例を対象に,輸血スクリーニング法の確立した時期を考慮して,1989年以前と1990年以降に分けてその成因を比較し,成因ウイルス別にみた臨床像を検討した.
成因は,ウイルス性35例,薬剤性1例,自己免疫性4例であり,ウイルスの重感染例は認めなかった.1989年以前はB型68%(輸血後例44%),N型16%であったが,1990年以降はB型20%(輸血後例0%),N型47%とB型の明らかな減少とN型の増加傾向を認めた.
C型の臨床像はB型に比して,1)肝炎発生から脳症発現までの期間が長い,2)脳症発現時の総ビリルビン値が高い一方,PT(%)が比較的保たれている,3)血清トランスアミナーゼの低下が遷延している,4) AFPの反応が低い,などの特徴を認めた.N型はB型とC型の中間の臨床像を呈しており,その成因については今後さらに検討が必要と考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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