肝臓
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天然型インターフェロンα投与中にVogt-小柳-原田病を発症したC型慢性肝炎の1例
川上 康修林 純中島 孝哉柏木 征三郎
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1995 年 36 巻 12 号 p. 719-722

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抄録

天然型インターフェロン(IFN)α投与中にVogt-小柳-原田病(原田病)を発症したC型慢性肝炎の1例を経験した.症例は47歳女性.肝機能異常を指摘されたことはないが,献血時にHCV抗体陽性を指摘され,また肝生検において,慢性活動性肝炎の診断にて天然型IFNα600万単位を2週間連日投与,以後外来にて週3回の隔日投与を行っていた.IFN投与開始後8週頃からの眼のかすみを自覚するようになったため眼科受診.ぶどう膜炎の診断にて入院となった.髄液検査にて細胞数の増加を認めたため,原田病の診断を受け,直ちにステロイド大量投与を開始され,ぶどう膜炎は速やかに軽快した.ぶどう膜炎の発病に関連する因子としてIFNシステムが注目されていることから,IFN投与と原田病発病との関連が推測された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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