肝臓
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IFN療法に著効を示したにもかかわらず,約1年6カ月後に細小肝癌が発見されたC型慢性肝炎の1例
池田 美和木野山 真吾新山 豪一小野木 俊也菅原 淳三谷 健一郎後藤 研介木村 哲也徳光 誠司末宗 康宏小林 敏成
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1995 年 36 巻 8 号 p. 485-490

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抄録

IFN療法によりC型肝炎ウイルス(HCV)が駆逐されたにもかかわらず,約1年6カ月後に細小肝癌が発見されたC型慢性肝炎の1例を報告した.症例は52歳男性.昭和40年輸血を受け,輸血後肝炎となり,その後C型慢性肝炎活動型(CAH2B)として加療をうけていた.平成4年IFN療法を行い,血中HCV-RNAは持続陰性化し著効となった.しかし,IFN投与終了約1年6カ月後に肝S7に17mm大の占拠性病変を認め,中分化型肝細胞癌と診断された.C型慢性肝炎に対してIFN療法を施行するに際し,血中HCV-RNAが陰性化した著効例であっても1年以上経過して肝細胞癌が発見される症例があり,長期的に厳重な経過観察が必要であると考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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