肝臓
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肝ペリオーシスの所見を呈したBCG起因性肉芽腫性肝炎の1例
榎 真佐史水田 敏彦尾崎 岩太原 俊哉福島 範子和田 郁子山本 匡介堺 隆弘
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38 巻 (1997) 10 号 p. 602-606

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抄録

患者は67歳, 男性. 悪性黒色腫に対する免疫療法として, 9年間BCG療法を受けていたが, 最終BCG投与後より発熱, 炎症所見とともに肝機能障害が出現した. 抗生剤投与は効果なく, ステロイドの投与にて炎症所見および肝機能は著明に改善した. 治療前の腹腔鏡検査で, 肝全体に暗紫色の紫斑を認め, 肝生検にて非乾酪性肉芽腫とともに, 血液を溜め拡張した類洞がみられたことから, 本症例はBCGにより惹起された肉芽腫性肝炎とそれに伴う肝ペリオーシスと診断した. ステロイドにより肝機能が改善した後に, 再度腹腔鏡下肝生検を行い, 肝ペリオーシスが改善していることを確認した. 肝ペリオーシスは, 結核などの消耗性疾患や蛋白同化ホルモン, 免疫抑制剤などの薬剤により起こるとされているが, BCG起因性肉芽腫性肝炎に伴った例は本症例がはじめてであり, また治療により肝ペリオーシスが改善したことを確認できた貴重な症例と考えられたため報告する.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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