肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
内視鏡的治療抵抗性の胃静脈瘤破裂に対して緊急経頸静脈的肝内門脈静脈短絡術 (TIPS) が有効であった1例
大山 高令瀬在 秀一伊藤 慎芳桜井 幸弘神坂 和明安部 孝
著者情報
キーワード: 胃静脈瘤
ジャーナル フリー

1997 年 38 巻 12 号 p. 725-729

詳細
抄録

症例は55歳の男性. 1990年から胃静脈瘤を指摘された. 1992年3月に肝S7の病変を認め同年transhepatic arterial embolization (TAE), percutaneous ethanol infusion therapy (PEIT) を施行した. 1992年9月吐血にて入院胃静脈瘤破裂でendoscopic injection sclerotherapy (EIS) を施行. 1994年12月に肝細胞癌にTAE, PEITを施行し, 胃静脈瘤にEIS, endoscopic variceal ligation (EVL) を施行. 1995年8月に吐血にて入院. 胃静脈瘤破裂でEIS, EVL, 更にpercutaneous transhepatic obliteration (PTO) を施行. 翌年2月タール便を認め当院再診. 胃静脈瘤破裂でEIS, EVLによる一時的な止血後, 緊急にtransjuglar intrahepatic portosystemic shunt (TIPS) を施行し, 15カ月経過した現在も再出血なく経過良好である. 以上のような難治性の胃静脈瘤破裂症例に対する緊急TIPSの有効例を経験した.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top