肝臓
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肝左葉内側区域形成不全の1例
森岡 健牧野 博荒井 和徳原武 譲二
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38 巻 (1997) 5 号 p. 337-342

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抄録

症例は56歳, 男性. 高血圧症の経過観察中, 肝機能障害を指摘され当科を受診した. 腹部超音波検査にて肝の萎縮が疑われCT検査を施行したところ胆の左側, 門脈臍部の右側には肝実質はほとんど認められず, 腸管と腹膜の脂肪織で置き換わっていた. 消化管造影では胃前庭部から十二指腸球部および大腸肝彎曲部の高位偏位が認められた. 腹腔鏡では肝左葉外側区域は正常であったが, 肝鎌状間膜および肝円靱帯の右側には肝実質は観察されず, 肝生検では新犬山分類のCH (A1, F1) と診断された. 腹部血管造影では肝動脈および門脈の左葉内側区域枝は認められたが, その分布は一部に限局していた. また腹部CTから作成した肝臓の三次元表示画像では肝左葉内側区域に相当する左肝静脈と中肝静脈の間の肝実質がえぐり取られた様な形態を示し肝左葉内側区域の形成不全が明瞭に示された. これまで肝左葉内側区域に限局した肝葉形成不全の報告はなく極めて稀な症例と考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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