肝臓
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肝細胞癌切除術後IFN療法が著効し, その後5年間再発を認めないB型合併C型慢性肝炎の1例
松本 伸行鈴木 通博儘田 幸貢水野 博末盛 彰一富永 友也菅 誠加藤 行雄佐藤 明鈴木 博前山 史朗打越 敏之
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39 巻 (1998) 11 号 p. 839-844

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抄録

肝細胞癌切除術後にインターフェロン (IFN) 治療が著効したウイルス性慢性肝炎の1例を経験したので報告する. 症例は50歳男性. 1987年にHBs抗原陽性を, 1990年にはC100-3抗体陽性を指摘され, B型合併C型慢性肝炎と診断. 1991年12月IFN治療の目的にて入院となるも, CT検査にて, 肝右葉後下区域に径15mm大の肝細胞癌を認め, 1992年2月肝部分切除術を施行した. この際, HBs抗原は陰性を示した. 術後AST, ALTは高値を持続, 1992年12月より慢性肝炎に対し6カ月間のIFN療法を開始. 投与終了後, 血液生化学所見は正常化し血中HCV-RNAの陰性化を認めた. 1995年1月肝生検所見はIFN投与前に比し肝実質の壊死炎症所見および線維性変化は改善した. 肝組織内HCV-RNAは陰性を示し, IFN治療5年後の現在まで肝細胞癌の再発を認めない. 慢性肝炎に生じた肝細胞癌症例では根治的治療後, IFN治療によるウイルスの排除が行われれば肝細胞癌再発の抑制につながるものと思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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