肝臓
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自己免疫性肝炎類似の病態を呈したchronic GVHDの一例
月岡 幹雄松田 充荻野 英朗里村 吉威中川 彦人鵜浦 雅志三輪 淳夫中沼 安二
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39 巻 (1998) 5 号 p. 331-334

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抄録

症例は28歳の女性. 原発性骨髄線維症のため1995年12月1日同種骨髄移植術を施行された. 移植後cyclosporin (以下CYA) 投与にて経過良好であったため, CYAは1996年10月15日にて中止となった. 1996年11月22日より発熱, 褐色尿が出現し来院. AST735IU/1, ALT390IU/1, と肝障害を認め入院となった. ウイルスマーカーは全て陰性であった. 一方, 抗核抗体320倍, LE test陽性, γグロブリン4.74g/dl, IgG4330mg/dlと自己免疫性肝炎診断基準の主要所見を満たしていた. 肝生検では肝の線維化と形質細胞の浸潤を認めた. CYAを再開したところ翌日より発熱が消失し, 肝障害は改善を認め正常化した. CYA投薬中止を契機に自己免疫性肝炎類似の病態を呈したchronic GVHDの一例を経験した. 本例は自己免疫性肝炎発症機序の点からも興味深く報告した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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