41 巻 (2000) 8 号 p. 561-565
症例は68歳, 女性. 乳幼児期より黄疸を指摘されていたが, 特に治療を受けていなかった. 黄疸は疲労時に増強する傾向があった. 平成9年8月頃より全身倦怠感, 黄疸の増強を認め精査加療を目的に同年8月25日当科入院となった. T. Bil 12.9mg/dl (D. Bil1.0mg/dl) と間接型優位の高ビリルビン血症を呈したがその他の肝機能検査, 色素排泄試験は正常範囲で, 溶血を示唆する所見も認めなかった. 臨床経過, 黄疸の程度および肝組織像よりCrigler-Najjar症候群II型と考えられた. フェノバルビタール, ブコロームの投与により著明な血清ビリルビン値の低下がみられた. その後, ビリルビン抱合酵素であるbilirubin UDP-glycosyltransferase (以下B-UGT) の遺伝子異常が確認された.
Crigler-Najjar症候群II型の報告例は本邦では稀であり貴重な症例と考え若干の文献的考察を加えて報告した.