肝臓
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興味ある進展形式を示した混合型肝癌の1切除例
堀井 勝彦山崎 修松山 光春桧垣 一行三上 慎一川井 秀一岡 博子真鍋 隆夫井上 健
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41 巻 (2000) 8 号 p. 572-577

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抄録

症例は75歳, 女性. AFP高値の精査入院. HBs抗原, HCV抗体は陰性で, AFP1214ng/dl. エコー検査で肝S4に径3.6cm大のhaloのない低エコー腫瘤と左肝内胆管拡張がみられた. dynamic CTでは早期相で淡く, 後期相で不均一に染まる不整形の腫瘤像とリンパ節腫大がみられた. 血管造影ではA4枝に栄養される辺縁不明瞭な腫瘍濃染と門脈S4とS3枝の閉塞像を示した. 混合型肝癌と考え, 肝左葉切除術とリンパ節郭清を行った. 切除標本では白色充実性で境界不明瞭な腫瘍を認め, 病理組織検査より混合型肝癌 (transitional tumor) と診断された. 門脈臍部への直接浸潤と胆管内に肝細胞癌成分の腫瘍栓を認めた (vp0b2nO). その後傍大動脈リンパ節転移を来し, 約2年後死亡された. 免疫組織染色よりリンパ節転移は胆管細胞癌成分であった.
本腫瘍の治療に当たっては肝細胞癌と胆管細胞癌の両方の進展形式を加味するべきと考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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