肝臓
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特発性細菌性腹膜炎を契機にhepatopulmonary syndrome (肝肺症候群) が顕性化した原発性胆汁性肝硬変の1剖検例
深井 希池田 隆明岡田 英理子渡辺 秀樹大岡 真也竹縄 寛村上 武司星野 裕治赤羽 久昌佐藤 千史
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41 巻 (2000) 9 号 p. 671-677

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抄録

症例は原発性胆汁性肝硬変 (Scheuer IV期) の68歳女性. 発熱, 呼吸困難を主訴に入院した. 入院時に著明な低酸素血症が認められた. 腹水所見より特発性細菌性腹膜炎と診断し, 抗生剤による治療を開始した. 低酸素血症は炎症所見の改善に伴い回復傾向を示したが, 酸素投与が必要な状態は持続した. 肺機能検査, 心エコー検査, 肺血流シンチグラフィーでは低酸素血症を説明できる異常は認められなかった. 胸部CTスキャンでは, 肺末梢血管の拡張所見が認められた. 臨床経過および画像所見よりhepatopulmonary syndrome (肝肺症候群) の存在が考えられた. 約2カ月半の経過で肝不全症状が進行し, 食道静脈瘤破裂にて死亡した. 剖検で肝肺症候群に特徴的な肺内毛細血管のびまん性異常拡張が確認された. 本症例では特発性細菌性腹膜炎の発症を契機に, 潜在性であった肝肺症候群が顕性化したと考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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