肝臓
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MR velocity mapping による奇静脈, 門脈血流測定の有用性
高村 尚子
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キーワード: 奇静脈血流, 門脈血流
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2001 年 42 巻 7 号 p. 335-341

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抄録

MRIを用いた奇静脈, 門脈血流測定の有用性を検討した. 2D cine-PC法を用い, 生理的呼吸下で健常者 (C) および肝硬変患者 (LC) の奇静脈 (A), 門脈本幹の血流 (P) を測定した. LCではCに比し空腹時Aは有意に増加, Pは有意に低下した. 空腹時連続撮影の結果, A測定の誤差率 (mean±SD) は, Cで9.9±3.7%, LCで5.4±6.2%, P測定の誤差率はそれぞれ5.6±6.7%, 4.6±3.2%であった. 空腹時のA/P比はLCではCに比し有意に増加した. さらに, 食事負荷後のAはLCでCに比し有意に増加した. Pは食前に比べ食後に有意に増加したが, 両群間で差はなかった. LCでは空腹時に比べて食後のA/P比は増加したが, 統計学的有意差はなかった. MR velocity mapping を用いた血流測定は非侵襲的で再現性が高く, AとPを同時に測定でき, 血流変化を評価できる有力な手段になりうると思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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