肝臓
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異なった造影効果を示した多発性の肝血管筋脂肪腫の1例
篠原 知明山本 雅一大坪 毅人吉利 賢治高崎 健中野 雅行
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43 巻 (2002) 1 号 p. 39-42

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抄録

症例は49歳女性. S状結腸癌術後5年後に多発性の肝腫瘍を指摘された. 肝S4, S8にそれぞれ2cm, 2.5cmの腫瘍を認め両者とも超音波で高エコー, 単純CTで low density, 造影CTで high density を示した. 血管造影ではS8腫瘍は腫瘍全体に強く濃染し増影効果は門脈相まで持続したが, S4腫瘍は辺縁部が淡く濃染し造影効果は門脈相ではみられなかった. 大腸癌肝転移の疑診でS4, S8部分切除術を施行した. 組織像は, 紡錘形平滑筋細胞の柵状配列と小血管の増生および脂肪細胞の集簇からなり, 多発性肝血管筋脂肪腫と診断された. 両腫瘍間で腫瘍内細動脈の分布密度に差を認め, これが増強効果の違いを反映している可能性が示唆された. 多発性の肝血管筋脂肪腫は稀であり, また造影効果の部位, 造影剤停滞時間が異なる所見であり診断困難な症例であった.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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