肝臓
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C型急性肝炎に対するインターフェロン治療の検討
小西 一郎堀池 典生河相 恵子熊木 天児道堯 浩二郎田中 美和加藤 壽一恩地 森一
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キーワード: C型急性肝炎, IFN治療
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2003 年 44 巻 3 号 p. 103-108

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抄録

C型急性肝炎10例に対しIFN治療を行った. 対象の年齢は22~56歳. 男性2例, 女性8例. 感染経路は針刺し事故5例, 感染経路不明5例. 診断時の肝組織所見は, 肝生検を施行した9例全例で急性肝炎であった. 治療としてIFNβ投与を6例, IFNα投与を4例に行った. 初回IFN投与で10例中, 8例 (80%) が著効 (CR) となった. 無効 (NR) の2例は, IFN再投与にてCRに至った. この2例は共にHCVセロタイプは1で, HCV RNA量はそれぞれ360, 280KIU/mlであった. この2例の初回IFN投与はそれぞれ天然型IFNα4週間 (総投与量180MU), IFNβ4週間 (総投与量168MU) 投与であり, 他の初回治療CR例と比較し投与期間が短く, 総投与量は少なかった. C型急性肝炎に対する治療においては, 必要十分な総投与量 (250MU以上) のIFN投与が必要であることが示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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